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千代田に肩入れ

岩本町東神田町会連合町会長・神田松枝町町会長 内田 栄一さん(うちだ えいいち)さん(68歳)

『伝統を守りながら、人と人の輪を広げたい。』

江戸の総鎮守「神田明神」の神田祭が行われた日、内田さんから祭を見がてら取材においでと連絡をいただいた。ちょうど、この5月で連合町会長も交代するから、「新旧の対談に しなよ」と気さくにいってくれる。お会いする前からわくわくして当日を迎えた。

神田祭は2年に1回本祭が行われ、本祭ではない年は蔭祭が行われる。今年は蔭祭、神田地区が担当で、岩本町東神田地区、秋葉原東部地区、外神田地区(江戸神社奉賛会も含む)の3連合町会地区が担いで大神輿渡御が行われた。本祭とはまた違った、担ぎ手とそれを支えるいろいろな人たちの協力体制や3つの地区がつないでいく思いに強く感動した。

内田さん、酒井さんともに68 歳。お二人とも神田生まれの神田育ち。内田さんは1845年創業の「ふな亀」の5代目。うなぎのにおいで育ったと笑う。酒井さんは1665年に蒔きやの商いで江戸に移り、現在は運送・建設業を営む12代目。代々続く跡継ぎとして生まれたお二人のお話を伺っていると、江戸時代にタイムスリップしたような気持ちになる。

岩本町東神田地域は、8町会からなる。住居表示とは異なり、町会名にも江戸時代からの伝統を色濃く残している。もともとは繊維・金物の集積地、職人の町であったが、現在はマンションビルの建設ラッシュなどにより街も大きく変容してきた。また、企業も増えた。そんな中、町会ごとに、さまざまなイベントを企画し地域活動を推進している。内田さんの町会でも10年前から寄席が行われ、今では「神田和泉橋寄席」として地域全体のイベントに定着した。酒井さんの町会では婦人部を創設し、まずその交流からマンション住民間の輪を広げたいと話す。また、8町会で協力して行う事業が増えてきており、昨年、地域活性化事業として冊子「変わりゆく あのまちこのまち」が発行された。内田さんは冊子発行の編集委員も務めた。

内田さん、酒井さんとも高齢のお母さんの介護をしている。「大変だよな」と話しながらも親がいて自分たちがいる。家族や地域とのつながり、脈々と続く歴史のつながりがお二人の基本になっているように感じる。それは祭にも通じるのではないだろうか。長老がいて、婦人部のささえがあって、若衆につながっていく。街は様変わりしても江戸の気質を残しつつ新たな変化を楽しんでいる。

(取材日:2006.5.14 三浦 博子 記:2006.5.24)

●千代田区岩本町東神田町会連合会
岩本町三丁目町会・神田松枝町会・岩本町二丁目岩井会・神田大和町会・神田東紺町会・岩本町一丁目町会・東神田町会・東神田豊島町会

内田 栄一さんと酒井 輝夫さん

内田さんは現在の連合町会長(右)、酒井さんは次期(H18年度)連合町会長(左)同年齢のバトンタッチは初めてのケース。着物姿がいなせでお話とお姿にみいってしまった。

内田 栄一さん

内田さんのお店「ふな亀」は、お神輿が中央にあり資料館のようだ。内田さんの風貌はアーティストのよう。でも江戸っ子気質が満杯だ。元気の秘訣は「食べて遊ぶこと」「自然体が一番」だそうだ。

平成18年度神田祭大神輿渡御の様子

平成18年度神田祭大神輿渡御の様子。岩本町東神田地区を練り歩く(2006.5.14撮影)