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神田の蕎麦屋

浅野屋本店

変わらない「素材と「季節」へのこだわり 浅野屋本店
4代目 和久井喜治郎さん

和久井さんはいろいろな会に属している。「浅和会」の他にも、蕎麦屋の子供連中の会「銅子会」。また「銅子会」メンバーの息子さん達がつくった「木鉢会」。そして、木鉢会の有志が「江戸神田蕎麦の会」を創った。どちらも暖簾の会とは異なった横断的な情報交換の場。浅野屋さんのメニューの後ろに「木鉢会」推奨のお酒メニューが載っている。場から生まれた一つのアイディアだと。これからも新アイディアに期待。

出世不動通り沿いに店舗をかまえて100年余り、街の変化は激しい。今年3月には電柱の地下埋設工事が終了する。橋を越えて、ランチ時の大手町・丸の内エリアからの来店者が減ってはいるが、それ以上に、「最近、来る人が変わってきて、それはそれで面白い」とも。新旧のフュージョンの芽が出つつあるのかも。

試行錯誤の結果、完成した浅野屋本店仕様の「和風焼きそば」。是非一度おためしあれ

明治5年から続く浅野屋本店4代目の和久井喜治郎さん(55歳)を訪問。猿楽町から、現在の内神田に移り100余年。その間、暖簾わけで関東を中心に80数軒の浅野屋が。暖簾の会「浅和会」のメンバーの味も年を経ることに店独自の特徴が出てくるようだ。親切心から厳しいことを言ってくれるお客さんもいるが、「それでも良い、それが店の個性」そうおっしゃる和久井さんの表情から、「本家としての立場」を超えて「個性を尊重したい」想いが見える。「ただ、素材へのこだわりは忘れたくない」としっかり付け加える和久井さん。

個性を尊重するのは、和久井さん自身が新しいメニュー開発に余念がないからかも。浅野屋さんに行ったら一度は味わいたいのが、「和風焼そば」。「中華かた焼きそば」にヒントを得たもので、池之端のやぶ蕎麦さんが先ともおっしゃっていた。浅野屋仕様の「和風やきそば」は、具の試行錯誤を繰り返し、ようやく今の形に落ち着いたようだ。

今でもメニューを開発中。お客さまからも、いろいろと提案を受けるが、「結局自分が好きなものになってしまうなぁ」と。一番好きな食べ物は?の質問には、間髪入れず「そば」。なるほど。そんな和久井さんに「おすすめは?」の質問。「難しい質問だねぇ」との言葉の後に出てきたのは、「季節ものだね」。今の季節なら、鴨せいろ、鴨なんばん、けんちん。春なら「桜そば」、夏なら「冷もの」、秋なら「松茸そば」。夏でも「鴨だせば」、との声もあるらしいが、「鴨は冬だろ!冬!」と頑なに季節にこだわっている。

そろそろ次の世代につなげたい思いもおありのよう。番町の割烹料理店に修行にいっている息子さんに「戻って来い」ラブコールをさりげなく発信しているようだ。さりげなく伝えているようだが、なかなか実現しないらしい。
季節の変わり目は自然と訪れるが、世代交代はいつやってくるのか?注目していたい。

(取材日:2006. 2.16 高島友和 記:2006.2.22)

和久井 喜治郎さん

和久井 喜治郎さん

浅野屋本店 店内

出世不動通り沿いに店舗をかまえて100年余り、街の変化は激しい。今年3月には電柱の地下埋設工事が終了する。橋を越えて、ランチ時の大手町・丸の内エリアからの来店者が減ってはいるが、それ以上に、「最近、来る人が変わってきて、それはそれで面白い」とも。新旧のフュージョンの芽が出つつあるのかも。

和風やきそば

試行錯誤の結果、完成した浅野屋本店仕様の「和風焼きそば」。是非一度おためしあれ!

浅野屋本店

■営業時間
【昼】11:00~15:00
【夜】17:00~21:00
■定休日
日曜日・祝日、第1・第3土曜日
■住所
千代田区内神田2-7-9 浅野屋ビル1F
■電話
03-3254-4351
■交通アクセス
JR「神田」駅西口より徒歩3分