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神田の蕎麦屋

松翁

江戸神田蕎麦の会 松翁
店主 小野寺松夫(おのでらまつお)さん

小野寺さんは江戸神田蕎麦の会として小学校やイベントなどで手打ち教室を行なっている。数ある蕎麦屋さんの中で、いつも手打ち手切りの手本をみせる。「最近、この地域は人が少なくなった」と言いながら、蕎麦文化を広げるため、まちで様々な取り組みをしている。

丁寧な仕事から真摯な姿勢を感じる。自らの研究によって自信の味を創り出した小野寺さん。テレビ東京「TVチャンピオン」で2回の優勝を誇る実力は、その賜物だ 。

滑らかで艶のある「ざるそば」。コシがしっかりしており、歯触りが心地よい。ダシと醤油にこだわったつゆも、湯が島産のワサビと相まって絶品である。900円

 「よい材料を使うこと」。料理はその食材によって旨さが変わるかも知れないが、その差を感じ取れる人はどれほどいるのだろうか。猿楽町に店を開いて25年になる松翁は、食材へのこだわりが人の感性を刺激し、言葉では言い表せない味の奥深さを感じさせる店である。

松翁のご主人である小野寺松夫さん(56歳)のこだわりは、神楽坂で修行された時の経験が大きく影響している。サラリーマンを辞め、修業先のお店で味わったつゆの美味さに驚いたが、その秘訣が化学調味料にあったと知ったとき、大きな違和感があったという。「自分の店では食材にこだわっていきたい。でも老舗のような秘伝がないから、自分を頼るしかなかった」という。そのため、美味さを追求する研究が始まった。

例えば、旨いダシの取り方。鰹節の残りかすの味を確かめ、鰹節の旨みが無くなる時間が旨いダシが出た瞬間であることを突き止め、さらに、鰹節の分量とダシの旨さをグラフにプロットし、鰹節の適切な量とタイミングを導き出した。これには、小野寺さんがサラリーマン時代、化学機器メーカーに勤務していた頃の経験が活かされている。松翁の海老は全て活きた海老を使う。注文を受けてから絞めて揚げるため、手間と時間がかかるが、こうした美味さへのこだわりには妥協しない。

松翁は近隣3駅の中心に位置していることから、通りがかりで入る店ではない。食材へのこだわりから値段も高めの設定だ。しかし、この店の味を求めて来る人々は絶えない。場所や値段ではなく、松翁の味そのものを求めて来ているのだ。「この店を目的に来てくれるお客様がいる。だから自分自身に自信がもてる」と小野寺さんは嬉しそうに語る。
名店と呼ばれる店にはプライドがある。一代でここまで築きあげた小野寺さんのプライドを、ぜひこの松翁で味わっていただきたい。

(取材日:2006.3.8 阿部武志  記:2006.3.28)

小野寺 松夫さん

小野寺 松夫さん

蕎麦をきる小野寺さん

丁寧な仕事から真摯な姿勢を感じる。自らの研究によって自信の味を創り出した小野寺さん。テレビ東京「TVチャンピオン」で2回の優勝を誇る実力は、その賜物だ。

松翁ざるそば(900円)

滑らかで艶のある「ざるそば」(900円)。コシがしっかりしており、歯触りが心地よい。ダシと醤油にこだわったつゆも、湯が島産のワサビと相まって絶品である。

松翁

■営業時間
【月~金(昼)】11:30~15:30
【月~金(夜)】17:00~20:00
【土】11:30~16:00
■定休日
日曜日・祝日
■住所
千代田区猿楽町2-1-7
■電話
03-3291-3529
■交通アクセス
東京メトロ半蔵門線/都営地下鉄三田線/都営地下鉄新宿線「神保町」駅より徒歩5分