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神田の蕎麦屋

満留賀静邨(せいそん)

江戸神田蕎麦の会 満留賀静邨(せいそん)
3代目 鈴木 基司(すずき もとじ)さん

神田蕎麦の会の「そばアート」に携わり、会員の結束が固くなったと話す鈴木基司さん(36歳)。他にも会のイベントに参加した地域の子ども達のイキイキした表情に出会ったり、会の活動を通じて、お店にいたのでは知り合えないような、いろいろな人との交流が生まれたという。
  
鈴木さんの祖父母がこの地に移ってきた時に建てられた木造建築のお店。店内は古い木造家屋特有の落ち着きと、暖かな色の照明で居心地がよい。5年ほど前、改装した。

田舎せいろ。黒っぽいつぶは「玄そば」を石臼で挽いた殻の部分で、そばの香りが強い。普通のせいろと食べ比べてみるとよくわかる。つゆはみりんが利き、甘めで濃い。からみ大根おろしとの調和を味わいながら、独特の食感、のどごしを楽しむ。750円。

鈴木さんの祖父母が90年近く前、品川区荏原にお店を開いたのが始まり。そして、神保町の今の場所へ移転して営業するようになったのは戦後すぐのことだ。

この付近には「満留賀」の屋号の蕎麦屋が多いので、何か関連があるのか伺った。諸説はあるが、愛知県出身の方が四谷にお店を出し、そこから次第に枝分かれしていったそうだ。そして、鈴木さんの祖父母も愛知県出身だ。

「静邨(せいそん)」の由来は、鈴木さんの祖父が書道の先生をしていた時の名前だ。10年ほど前、鈴木さんの実弟が品川区武蔵小山にお店を出した時、鈴木さんは蕎麦を手打ちに変えた。今までのイメージを一新するため「神保町満留賀」だった屋号を現在の「満留賀静邨」に改めた。

食感や風味を大事にするため、国産のそばを安定した品質で供給してくれる業者を苦労して探し出し、自前の石臼でひく。機械ではなく手打ちにこだわり、棒で伸ばすから口当たり、喉ごしが独特だ。「機械で伸ばすと急な圧力がかかり、のっぺらぼうな喉ごしになってしまう」と鈴木さんは言う。また、3たて(挽きたて、打ちたて、ゆでたて)をいつも心がけている。そのため1日10回位、そばを打つそうだ。「本屋めぐりがてら、肩肘張らず普通の食事のように気軽に食べて欲しい」という思いから、できるだけ値段は安めに設定し、量も多めに出している。

時代が移り変わっていき、周りに古い建物が減って大きなビルが建ち並んだりして街は変化をとげていくが、「建物がコンクリートに変わっても、同じ場所・同じ考えでずっと続けていきたい」と語る鈴木さんの口調は、穏やかながらも固く強い意志を感じた。

(取材日:2006.8.9 田村 崇彰  記:2006.8.29)

鈴木 基司さん

鈴木 基司さん

満留賀静邨 外観

鈴木さんの祖父母がこの地に移ってきた時に建てられた木造建築のお店。店内は古い木造家屋特有の落ち着きと、暖かな色の照明で居心地がよい。5年ほど前、改装した。

田舎せいろ(750円)

田舎せいろ(750円)。黒っぽいつぶは「玄そば」を石臼で挽いた殻の部分で、そばの香りが強い。普通のせいろと食べ比べてみるとよくわかる。つゆはみりんが利き、甘めで濃い。からみ大根おろしとの調和を味わいながら、独特の食感、のどごしを楽しむ。

満留賀静邨

■営業時間
【月~金】11:00~21:00(L.O.)
【土曜】11:00~15:00(売り切れ次第閉店)
■定休日
日曜日・祝日
■住所
千代田区神田神保町1-17-3
■電話
03-3292-0275
■交通アクセス
東京メトロ半蔵門線/都営地下鉄三田線/都営地下鉄新宿線「神保町」駅より徒歩3分