vol.52 街にディスプレイを!の声はケータイ社会で実現?
地デジ対応の携帯電話の出荷台数が1,000万台を超えたとのこと。7月の出荷台数のうち、36%が地デジ対応。高機能なケータイがジワジワと浸透してきています。一方、昨年10月に渋谷ではじまったデジタル地図案内板の試行設置が間もなく1年を経過。小さな私的ディスプレイで情報をやりとりするケータイに対して、公的なメディアを使った情報のやりとりはいまだ未知数。
今回は、そんな「街にディスプレイを!」というテーマの話です。
街にディスプレイを!という試みは、交通広告や道路案内版、まちの掲示板などの代替手段として、その可能性は以前より注目されています。しかしながら、機器、通信環境、コンテンツ、関連する条例、そしてそもそも私達がどこまで受容可能か、といった様々な課題を抱えているがために、一筋縄ではいかないところがあるとみています。
ところで、投影技術(プロジェクタ)、センサー技術(タッチパネル)、骨伝導技術(スピーカー)、コンテンツ製作技術(3D情報)、これらの技術を組合せた情報発信のスペースが秋葉原にあります。
有料トイレOASISの壁面に1台、秋葉原UDXビルの4階に1台。
渋谷の試行設置のものに比べて、見栄えとしては、アキバのものはプロジェクタを使っているため、ハード的にはやや軽め。持ち運びが簡単に出来そうなので、常設以外にも、イベント時のみの仮設で情報提供なんてことも出来そうです。
そうはいっても、秋葉原の取組みはハチ公前のものとコンセプトは同じように見受けられます。公共空間にタッチパネル対応で情報を提供。街案内に役立てるというもの。操作性は良いです。触れると音がなるなどの細かな配慮もある。(音が鳴らないと、触れていないのか、機械不良なのか分からなくて困ります。)渋谷もアキバも機器、通信など技術面ではどんどん「こなれてきている」感があります。あとは、制度面の設計とわかりやすいコンテンツ(ストーリー)づくりがまたれる所。
屋外広告物条例が関連すると聞いたことがありますが、現在の運用はどうなっているでしょうか。広告関連企業さんは、比較的ライトにとらえていらっしゃる一方、都市計画関連の方からは難しいテーマだと聞きます。もっと識者にお聞きしたいものです。
さて、コンテンツ(ストーリー)づくりはと言えば(ここから妄想の域)、日常生活では、街の案内板として見たくなるコンテンツが必要。「タッチパネルだから触らせなくては」という固定観念を脇に置いて、触らなくても例えば、
- 電車の遅延情報
- 野球の途中経過
- 明日の天気
- 企業CM
単純なほうが良いでしょう。
- 区役所の案内板情報
でも良いとも思います。
あるのか無いのかあまり気づかない。でも、そこにあることが重要というスタンスでいかがでしょう。他にも、コンテンツが15秒1枠な時、4コマで1分。貴方がいる「この1分間」のうちに、これらの情報が流れますよ、という心遣い。
「どんな情報が流れるかドキドキ」なんてことは求めていないのではないでしょうか。街中で、壁を見る風景を思い浮かべてみても、
- 不動産屋のガラスに張ってある空家情報
- 格安チケット店の店頭の価格表
そこにどんな情報があるかわかるので、見るわけですね。
ここまで書いて、改めて地デジ1,000万台突破という現実に戻ると、情報のやりとりがどんどんパーソナルになっている現実があります。そんな中でパブリックなメディアが人間の潜在意識に届く余地はどのあたりにあるのでしょうか。技術の進化とそれに伴う人間の生活様式の柔軟な対応(本筋では順序が逆ですが)という歴史はインターネット、ケータイなどで確認済み。では、「街にディスプレイを!」はどうでしょうか?まだまだチャレンジできる課題であります。
【文責】財団法人まちみらい千代田 地域振興グループ 髙島








