vol.47 株式会社魔法のiらんど 代表取締役社長兼CEO 谷井 玲 氏
「夢と感動のモバイルコミュニティで作る新しい文化(アイポリスにも注目!)」
「恋空」という小説をご存じでしょうか?2007年、空前の大ヒットとなったケータイ小説であり、映画化され大ヒットし、来月にはDVDが発売される予定です 。この「恋空」が最初に発表されたケータイサイト“魔法のiらんど”を運営しているのが今回おじゃました株式会社魔法のiらんどです。お忙しいなか谷井玲(たにいあきら)社長にお時間をとって頂きインタビューのスタートです。
(1) 株式会社魔法のiらんどの事業は?
“魔法のiらんど”?何それ?という方は、まずはホームページを見てからにしましょう。
http://maho.jp
見ました?
見た方はお分かりのとおり、“魔法のiらんど”は無料でホームページを作成できるサービスで、ケータイやPCから誰でも情報を発信できます。スタートは1999年12月、現在のユーザーID数は570万(女性が80%)、月間約33億ページビューというものすごいコミュニティー・サイトなのです。“魔法のiらんど”が主たるターゲットとしている10歳から24歳までの日本の人口が約2000万人、その半分の1000万人が女性とすれば、若い女性のカバー率は50%に近くに達します。
”魔法のiらんど”にはさまざまな機能があって、若者(特に女性)が自己表現ができるようになっています。
・ 小説
・ 音楽
・ 川柳
・ 漫画
・ 写真
・ デザイン
・ ファッション などなど
その内容は多岐にわたります。自己表現のためのホームページ上での機能が30種類以上。若者たち一人一人が、ケータイを通じて自分の才能を表現しているのです。その中で生まれ大ヒットしたのが、最初にご紹介した「恋空」なのです。
株式会社魔法のiらんどは、このようなスーパーなコミュニティサイトを運営しており、事業としては簡単にいうと4つあるそうです。
1.月間33億ページビューを背景とした広告事業
2.”魔法のiらんど”のサービスと連動した公式コンテンツ事業
3.“魔法のiらんど”から生まれてきたコンテンツマネジメント事業
4.“魔法のiらんど”の事業の中から生まれてきた関連グッズを扱うEC事業
(2) 株式会社魔法のiらんどの歴史
“魔法のiらんど”は約8年前にスタートしたサービスですが、株式会社魔法のiらんどの設立は19年前に遡ります。もともと設立当初は、コンピューター技術開発の会社だったそうでして、NTT関連各社からの出資も受けていることからもわかるように、次々出てくる新しいITのハードやソフトの性能の評価を行う地味なお仕事をしていたのだそうです。その中でいくつかのプロジェクトを立ち上げ、製品化をしてきたのです。
いくつかのプロジェクトが進行していく中、ついに1999年12月に5つめのプロジェクトとして“魔法のiらんど”のサービスがスタートしたのです。ちなみに1999年2月には、NTTドコモのiモードがスタートしています。白黒でギザギザの文字の時代です。そのたった7ヶ月後にiモードを使った“魔法のiらんど”はスタートしたのです。スタート当初から反応は驚異的で、初日に300PV、1週間で3万PV/日、1ヵ月で40万PV/日、3ヵ月で120万PV/日という飛んでもない伸びだったそうです。いきなり回線はパンク状態。大急ぎで大回線にしたそうです。
“魔法のiらんど”と似たようなサービスを提供する会社はいくつもあったようですが、“魔法のiらんど”がケータイからスタートしているのに対し(現在はPCも対応)、他社はPCの延長線上でのサービスとして位置づけていたのが大きな違いだったとのでは、と谷井社長。
(3) アイポリス活動に注目!
“魔法のiらんど”のトップページを見て頂いた方は画面の右下にフクロウマークの“アイポリス”というバナーを発見されたでしょうか?バナーをクリックすると「アイポリスは“魔法のiらんど”のコミュニティサイトを巡回し啓蒙活動や警告あるいは削除を行うサイト監視システムです。」という説明があります。
10代の子供たちのユーザーが多い“魔法のiらんど”にとって、有害サイトや有害な内容の書き込み(いじめ、誹謗中傷など)は非常に深刻な問題です。谷井社長は、その対策にスタート時からすごい力を注いできたのです。それがアイポリスです。ものすごい数のサイトと書き込みの中で有害なものをチェックするのは大変な仕事です。70%ぐらいはソフトで禁止語句による自動チェックができるのだそうですが、語句の使い方によって有害になったりならなかったりするものなどもあり、30%ほどは人の力が必要なのだそうです(目視チェック)。しばらくは“魔法のiらんど”のスタッフ(最初は谷井社長が自分でやっていた)が必死で目視チェックをしていたのですが、一年後この事業の志を理解した三重県の障害者団体の皆さんによって、自分たちが仕事としてやろうという新たな取り組みが生まれました。アイポリスはこのようなさまざまな人の協力により、維持できているのです。
有害サイトや有害な書き込みは削除・閉鎖処理をするのですが、谷井社長はその前に警告をして自分で気づいてもらうことが重要だといいます。削除・閉鎖は簡単なことですが、それでは根本的な解決にはならないというのです。“なぜこのサイトや書き込み、サイトの利用がいけないのか?” それを本当に理解すればその子供は二度とそういうことをしませんし、また口コミで友人や知人にそれを広めてくれるわけです。この効果は非常に大きいといいます。
“魔法のiらんど”から始まったアイポリスの活動ですが、現在はその枠組みを超え、社会貢献活動として全国の学校や地域へ子供や先生、そして親を対象とした啓蒙活動を行っています。テーマは安心・安全なネット活用といったものですが、先生や親への教育が大事だそうです。。昨年は、秋田県の中学校から修学旅行で会社見学に来てくれたこともあったそうです。
最近はケータイフィルタリングの議論が活発になっており、システムや法律での規制も必要かもしれませんが、本当に大事なのは一人一人のインターネットの活用の仕方やモラルだということを、谷井社長のお話から感じました。子供や若者にとってケータイは非常に身近であり、自己の才能を表現し夢や感動を生み出すことができる強力な道具ですが、使い方を誤れば人生を破滅へ導く入り口でもあるんですね。アイポリスがやっているのは安心・安全なネット社会の規範づくりであると感じました。
“魔法のiらんど” と “アイポリス” に注目です。








