文字サイズ
トップページ > まちみらい千代田 > スタッフブログ > 中小企業応援リレーコラム > こうすれば優秀な社員が育つ・活躍する・採用できる《中小企業応援リレーコラム vol.21》

こうすれば優秀な社員が育つ・活躍する・採用できる《中小企業応援リレーコラム vol.21》

2010年8月13日

がんばる中小企業応援リレーコラム
『どうする!反転攻勢の経営』~景気回復の芽を伸ばせ~第5回

「こうすれば優秀な社員が育つ・活躍する・採用できる」
中小企業診断士 齊 藤 博 氏
(PDFでお読みになりたい方はこちら

 このリレーコラムも5回目となります。今まで、お客様をどのように惹きつけるか集客と顧客管理の視点から、また、企業の経営資源“ひと・もの・かね・情報”について、魅力的な店舗設計、ブランドなど“もの”の視点から景気回復の芽を如何に作るかバトンをつないできました。

 今回は、いよいよ経営資源の中核と言われる“ひと”についてです。
「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」ご存知、武田信玄の勝利の礎です。「勝利の決め手は堅固な城ではなく人の力である」ことは、今でも変わりはありません。企業の命運を決するのはやはり“ひと”と言えます。

1.“ひと”を大事にしない風潮が広がっている

  ところが、昨今100歳を超えるお年寄りの行方が分からないという報道が続いています。身内が、「父や母の居所が分からない、生きているか死んだのかも分からない」というのです。日本人の心はいつからこんなに侘しく・悲しくなってしまったでしょうか。
 また、数年前から出生率が低迷し人口の減少が始まっているにもかかわらず、新卒者の就職内定率が激減しています。近い将来人手不足になることを考えると、今が優秀な人材を確保する絶好のチャンスのはずですが、残念でなりません。
 “ひと”を大事に思う気持ちがなければ、幸せな社会にはなりません。社員を大事にしない企業の存続は近い将来必ず危ぶまれることになります。

2.元気を取り戻そう=今は反転攻勢の経営を仕掛ける時

 “景気はいつ回復するのか”これは、約20年前バブル経済が崩壊した平成4年11月に発行された雑誌アエラの表紙の言葉です。
 今も、世界同時不況の影響で、大企業はともかく、中小企業の多くが、日々の経営に苦しんだり、将来への不安を抱えたりしています。

 今年の正月、ある新聞が「日本が希望と活力を取り戻すためにどうしたらいいのか」内外の専門家の言葉を紹介しました。フランスのサルコジ大統領の諮問委員会委員長ジャック・アタリ氏は、「日本の未来は暗くはない、他の国と同じく日本にも課題はあるが、その課題を克服する力がある」と励ましの言葉を寄せています。東京大学の前学長小宮山宏氏は「日本は世界中が経験したことのない公害問題やエネルギー問題を克服した素晴らしい力と経験を持っている。もっと自信と誇りを持つべきである。」と指摘し、慶応大学の竹森俊平教授は「日本は明るい未来を実現する力を持っている」が、「多くの日本人はそれに気づいていない。もっと自信を持って行動すべきだ」と叱咤激励をしています。

 経営者の皆さんは、思い当たるところがあるのではないでしょうか。
 今こそ、「反転攻勢の経営」を仕掛ける時です。かつての自信と誇り、そして勇気を取り戻そうではありませんか。

3.皆さんの会社はどうしたら生き残ることが出来るか

 多くの大企業の決算は今回大幅に改善しました。しかし、中小企業は、まだまだ厳しい状況が続いています。
 皆さんの会社はどうしたら生き残ることが出来るでしょうか。「不況は今までもやってきました。その時々の情勢によって対処の仕方は違うでしょうが、いついかなる場合でも変わらないことがあると思います。それは、経営者としての自覚に基づき、最大の努力を持って勇敢に立ち向かうことに尽きます。」とは、経営の神様と言われた松下幸之助さんの言葉です。

 さらに、「衆智を集めた全員経営が経営者として終始一貫心がけ実行してきたことです。日ごろから社員の話を聞き、社員が話しやすい雰囲気にしておくこと。出来るだけ仕事を任せ、自主性を生かすこと」が大事であると話しています。
 社員が伸び伸びと自由闊達に活躍し、育まれるためには、このような経営者の姿勢が必要です。元気のある企業は生きいきとして魅力的です。小さくともきらりと光る会社として高い評価を受けます。(財)まちみらい千代田が主催する「千代田ビジネス大賞」はこんな企業を探しています。

4.社員を生かした会社が成長している

 私の知っているある社長さんは、数年前まで一人で頑張ってきました。しかし、世界同時不況の影響で売上が半分以下に落ち込み、今までと同じやり方では倒産してしまうと判断しました。創業以来約20年間順調に売上を伸ばしてきました。なんでも一人で決め、思い通り社員を動かしてきましたが、危機に直面して初めて、自分を支えてくれる社員が誰もいないことを知り愕然としたのです。すべて自分の責任でした。今まで、自分のやり方に従わない社員を冷遇してきたからです。
 順風満帆だったので問題が表に出なかっただけです。しかし、苦境におかれた時にはそうはいきません。自信を失った社長と指示待ち社員だけでは、立ち上がることが出来ないことは明らかです。
 この社長はここで、「生き残るためには、自分ひとりの力ではなく、社員の意見を聞くことが大事」であり、「社員と一緒に実行することで、意欲が上がり、成功する」ことを悟ったのでした。

5.社員が活躍する会社・育つ会社が、優秀な社員を採用できる会社だ

 皆さんの会社は社員が伸び伸び活躍していますか。社員が自由闊達に活動し、成績の向上に貢献し、社内の雰囲気を良くしていますか。情報を教えて若い社員を育てていますか。

 ここが問題です。“はい”と答えられる方がいたら是非教えてください。先ほどのビジネス大賞に推薦させていただきたいと思います。
 魅力のある会社、永く生き残る会社とはどんな会社なんでしょうか。サントリーでは、社長の相場康則氏に、「ウイスキー市場を活性化させたのは、若手社員たちの力だ。旧来の枠にとらわれない、若い人の自由な発想が功を奏した」と言わしめ、売上も大幅に増大しました。また、花王でも、飲料担当者が、社内で肩身の狭い思いをしながら、売れない商品を大ヒット商品に転換させました。社員が伸び伸びと活躍できる会社であれば社員は自ずと活躍を始めるのです。社員が生きいき育つ会社では情報を抱え込まずに教え合うことにしています。共有することでお互いが成長し、その結果成績も向上するからです。こういう会社は周りから見て魅力的で入りたい会社になります。こうなればしめたものです。新卒者がなかなか仕事を見つけられない就職難の時代だからこそ、中小企業にとって今は優秀な社員を集める絶好のチャンスなのです。とはいっても、資金がないから難しいと言う経営者の方には国の支援策があります。ハローワークが窓口の実習型雇用支援事業という制度です。半年間試験的に採用することが出来、給料の一部が支援されます。半年後に優秀な人材だから正社員に採用したいという場合にも重ねて支援があります。

6.おわりに

 社員が活躍する会社・育つ会社は、優秀な社員を採用できる会社です。

 社員が伸び伸びと活躍できる会社には、次々と優秀な頑張る社員が育つでしょう。それが企業の風土というものです。社員が伸び伸びと活躍したり、優秀な社員が育
成される会社は、周囲からも高い評価を受けております。こうした会社には自然と優秀な人材が集まってきます。
 皆さんの会社が、こうした社員が活躍する会社・育つ会社、そして優秀な社員を採用できる会社になることを願っております。

---------------------------------------------------------------------------------
<<参考出典>>
①読売新聞 2010.1.3 1.4 1.6 各1面日本の針路
②夕刊フジ 2010.6.16 11面
③不況に克つ 12の知恵 松下幸之助著 PHP総合研究所 他

前へ←リレーコラム一覧へ→次へ

 

コメントする