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【中小企業応援リレーコラム】
不況に勝つ!実効的な会議の仕方、教えます!《中小企業応援リレーコラム vol.1》

2008年12月24日

がんばる中小企業応援リレーコラム①
「不況に勝つ!実効的な会議の仕方、教えます!」
中小企業診断士  河合 史門 氏

経営者・幹部の皆さん、厳しい経営環境の中、頑張っておられることと思います。私は、中小企業診断士の河合史門と申します。どうぞよろしくお願いします。

■今、生き残る企業とは

 私は、毎日、経営に携わる方々とお会いして、経営環境の厳しさを痛感することも多いのですが、その中でも、「この企業は大丈夫」と思える企業があります。それは、社長以下全社一丸となって問題に取り込もうという意気込みがこちらに伝わってくる企業です。つまり、会社の問題を経営者一人が背負い込まずに、社員一人一人が、自らの立場で問題に立ち向かう意欲がある企業は、今日の厳しい状況を切り開いていけると思われます。

 では、そのような企業になるためにはどうしたらよいでしょうか。そのヒントは、日々の会議にあります。会議を実効性のあるものにし、全社員で問題を共有してください。充実した会議から、驚くような素晴らしいアイデアが出てくるかもしれません。だらだらと緊張感のない会議や同じところを議論がめぐるような会議はいりません。短時間でもピリッとした会議をしていただきたいと思います。

■会議のコツ、教えます

 ではそのためにはどうしたらよいか、そのコツをお話ししましょう。まず、会議は一種類ではなく、さまざまなパタンがあるということに注目してください。パタンに応じた会議のやり方をしなければなりません。ここでは、2つほど分類をしたいと思います。

 ひとつは、会議の方向性による分類です。
 すなわち、会議には、収斂(しゅうれん)型の会議と開放型の会議があります。生産が遅れているが、その原因はどこにあるか話し合うという場合は収斂型の会議です。逆に、今日は、新製品の開発について、みんなが持っているアイデアを持ち寄って話し合ってみようというのが開放型の会議です。
前者においては、どのような結論になるにせよ、その結論に向けて議論を積み重ねなければなりません。これに対し、後者の場合は、結論を求めるものではなく、いいアイデアを得られればそれでよしとするものです。したがって、前者の場合は、本題に無関係な話は結論までの道のりに対して寄り道です。横道に逸れそうになったら、会議の議長はそれとなく、本道に戻すようにしましょう。これに対して、後者の場合は、一見無関係な思いつきでも排除すべきではありません。
 ブレーンストーミングは後者の会議の典型です。ブレーンストーミングには、3原則というものがあります。すなわち、①出てきた意見を批判しない、②出した案を詳細に説明しない、③人の意見に乗っかるのは自由。いずれも、自由なアイデアの創出を妨げないための工夫です。

■4つの会議

 もう一つ会議のパタンは、何を目的としているかという観点からの分類です。これには、①状況分析のための会議、②原因分析のための会議、③意思決定のための会議、④リスク分析のための会議があります。考えてみると、1人の人が問題を考えるときにもこの4つの領域でものを考えています。たとえば、自社の製品に不都合があったとき、トップはどうするでしょう。「今わかっている情報を全部おれに知らせろ」と怒鳴るのではありませんか(①状況分析)。そして、それが出揃うと、「どうしてこんなことになったのだろう」とつぶやくに違いありません(②原因分析)。そして、「よし、生産中止・商品回収だ」と部下に命令を出します(③意思決定)。そして、本当にそれでよいのか、その決定のリスクについて検討をすることになります(④リスク分析)。会議は、複数の人々で行う問題解決という側面がありますから、会議もこの4種類があることになります。

■会議のポイントを押さえましょう

 ではそれぞれの会議のポイントを述べてみましょう。まず、①状況分析のための会議について。この会議は、会議の方向性からいうと、開放型の色彩が色濃く出ます。ありとあらゆる情報を細大漏らさず収集する必要があるからです。そして、情報が集まったら、それを整理する必要があります。たとえば、新製品の販売に関して状況分析のための会議であれば、「関西エリアでは売れている」「他社からよく似た商品が出ている」「わが社は、営業力が弱い」などいろいろな発言があるでしょうが、一定の角度から分離分解する必要があります。たとえば、エリアの問題か全社的な問題か、商品の問題か市場の問題か、など、一定の角度から整理することが必要です。そして、整理できたら、緊急性があり、かつ重要性がある問題から優先して話し合うことが必要です。

 次に、②原因分析のための会議について。この会議で重要なことは、短絡的な決めつけをしないということです。たとえば、ある会社で、店長に若手を起用したとします。その店の売り上げが下がったとき、「やはり、経験不足の店長はだめだ」と決めつけないことが大事です。そのような意見が出たときは、「でも、若い人でも売り上げを上げた店長がいましたよね」とか、「昨年より売上の落ちた商品をピックアップしてみましょう」などという柔軟な意見を出させていきたいものです。要は、幅広い視野で様々な角度から真の原因を追究することが大切です。

 三番目に、③意思決定のための会議について。たとえば、新商品のPRについて、新聞・雑誌に広告を出す案、展示会をやる案、営業マンが足で稼ぐ案など、複数の選択肢の中から最適なものを選ぶ場合です。この場合、大切なことは、何を選択の基準に置くかによって結論は変わるということです。PR費用の抑制を重視するのか、シェア拡大を重視するのか、ブランド力の向上を重視するのかなど、いわゆる「モノサシ」が変われば、どの案がよいのかという結論も変わるのは当然です。したがって、会議で議論が紛糾したときは、どのモノサシに重きが置かれているのかを、もう一度考えなおすことが大切です。
 最後に、④リスク分析のための会議について。たとえば、3ヶ月後に大きなイベントがある場合、想定外の問題や不都合が起きたときの対策について、話し合う場合です。この場合、ポイントは、対策には予防対策と発生時対策とがあるということです。予防対策というのはできるだけ問題や不都合が起きないようにするものです。これに対し、発生時対策というのは、不都合が起きた場合にその影響ができるだけ大きくならないようにするものです。たとえば、火事に対して、喫煙場所の制限は予防対策、スプリンクラーの設置は発生時対策ということになります。この2つを、一緒に論じると会議は混乱します。

■最後に

 この次に会議に臨むときには、会議がこの4つのどれにあたるのか、しっかり意識しましょう。そして、会議を活性化して、この経済環境を勝ち抜いていこうではありませんか。
なお、以上の考え方のもとになっているのは、EM法というロジカルシンキングの手法です。オススメ本は、最近の出版物という点で「『考える力』を強くするEM法」(日本能率協会マネジメント)です。興味があれば、読んでみてください。
この文章に関するご質問やご意見をお寄せください。お待ちしています。では、また。

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次回は、中小企業診断士 大坂 隆洋 先生のコラムをお送りします。