【公園三昧】
清水谷公園 -滝と茶室のある公園《公園三昧:第6回》
2007年11月14日
~明治維新と高級ブランドが共存する不思議な公園~
紀尾井町のホテルニューオータニとグランドプリンスホテル赤坂の間あたりに清水谷公園はあります。都心とは思えぬ鬱蒼とした樹木で繁っていてすぐに分かります。江戸時代、この場所は紀伊家と井伊家の境の小さな谷で、紀伊家の敷地内に清水が湧き出ていたので「清水谷」と呼ばれるようになったそうです。ちなみにこの湧き出た水が流れ出たのが赤坂の溜池になりました。
清水谷公園の真ん中には6.27mもある堂々たる碑があり、正面には「贈右大臣大久保公哀悼碑」と彫られています。つまりこの公園は明治の元勲大久保利通が不平士族に暗殺された場所(正確に言うとその近くらしい)なのです。西郷隆盛と比べれば一般的な人気はいまひとつの大久保利通ですが、その政治手腕は高く評価され、その業績を見直す研究も進んでいるようです。また大久保利通という政治家は私的な蓄財などにほとんどなく、暗殺された後、大久保家にはわずかの現金と多額の借金が残っていたのだそうです。歴史小説で直木賞を目指している私としては、司馬遼太郎の名作「翔ぶがごとく」を読み返して見たくなりました。でも8巻もあって長いから海音寺潮五郎の「西郷と大久保」にしとこうかなあ(笑)。
最寄り駅は麹町、赤坂見附、永田町。清水谷公園の前の通りは紀尾井町通りとよばれて、八重桜が有名です。紀尾井町通りをはさんだニューオータニ側には、ブルガリやヴェルサーチといったブランドショップや高級ブティックが並んでいます。明治維新の元勲と高級ブランドショップ、非常に不思議な組み合わせです。
自然の地形をそのまま活用したと思われる約10,000㎡の園内には池があり、小さい滝がありと都心とは思えない趣です。偕香苑という茶室があってお茶会などで借りられます。(申し込みは千代田区役所の生涯学習館、電話03-3234-2841)
その足音を聞いただけで、内務省の庁内が静まりかえるほど畏怖され、明治国家建設の志半ば48歳で斃れた大久保利通を想いながら、時には清水谷公園での一休みはいかがでしょうか。








